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USB PD(USB Power Delivery)とは? USB PD対応のAnker製品もご紹介!
近年、スマートフォンやノートPCなどのデバイスが急速に進化し、私たちの生活に欠かせないものとなっています。それに伴い、充電技術も進化しており、USB Power Delivery (以下USB PD) がその最先端として注目されています。
この記事では、USB PDの基本的な知識からスペック、用途、そしておすすめの製品まで徹底的に解説します。
目次:
USB Power Delivery (PD) について
USB Power Delivery (PD) とは?
USB PDとは、USB規格の一つで、デバイス間の電力供給をより効率的かつ急速に行うための技術規格です。
従来のUSB充電に比べ、最大240Wという非常に大きな電力を伝送できるため、デバイスの急速充電が可能になります。現在では、最新のスマートフォンやタブレット、MacBookなどのノートPCにまで幅広く採用されています。
これまでのUSB充電器との違い
充電速度 (パワー)
従来のUSB規格 (USB 2.0 / 3.0) や汎用的な充電器では、供給できる電力は数W〜十数W程度でした。これに対し、USB PDは最大240W (2025年現在の最新規格であるUSB PD 3.1の場合) もの高電力を供給できるため、充電時間を劇的に短縮できます。
電力の伝送能力
従来の充電器は、基本的に一定の電力でデバイスに電力を供給していました。一方、USB PDは、接続されたデバイスが必要とする電力を自動で認識し、適切な電圧と電流を調整しながら最適な電力を供給します。これにより、スマートフォンから高性能ノートPCまで、様々なデバイスに効率的かつ安全に充電できます。
利便性
USB PDは、その能力を最大限に発揮するために「USB Type-C」コネクタと組み合わせて使用されます。USB Type-Cはリバーシブルな形状 (上下の向きを問わない) で接続が簡単なうえ、この規格が普及したことで「スマホもPCも同じ充電器とケーブルで充電できる」といった利便性の高い充電環境が実現しています。
USB Type-C (タイプC) との関連性
ここで注意が必要なのは、「USB Type-C」と「USB PD」は別の規格であるという点です。
USB Type-C: コネクタ (差し込み口) の「形状」の規格
USB PD: 電力供給に関する「技術」の規格
USB PD対応の主要なデバイス
USB PDで充電可能な機器は多岐にわたります。以下は代表的な例です。
・ スマートフォン (iPhone, Google Pixel, Galaxyなど多数)
・ タブレット (iPad Pro, iPad Air, Galaxy Tabなど)
・ ノートPC (MacBook, Dell XPS, Chromebookなど多数)
・ USB PD対応のモバイルバッテリー
USB PDで急速充電する際の注意点
USB PDのパワフルな給電能力を最大限に発揮させるためには、以下の3点すべてがUSB PDに対応している必要があります。
・充電するデバイス (スマートフォン、ノートPCなど)
・充電器 (ACアダプターやモバイルバッテリー)
・その2つを繋ぐケーブル
特に注意が必要なのがケーブルです。低価格なものから高価なものまで多くのUSB Type-Cケーブルが流通していますが、見た目でUSB PDに対応しているか、何Wまで対応しているかを判別するのは困難です。
USB PDは最大240Wという大きな電力を扱うため、ケーブルもそのパワーに耐えうる安全性と性能を備えている必要があります。ケーブルには主に以下の種類があり、必要な電力に合わせて選ぶ必要があります。
・最大60W (20V/3A) まで対応のケーブル
・最大100W (20V/5A) まで対応のケーブル
・最大240W (48V/5A EPR) まで対応のケーブル
USB PDのバージョンと進化
USB PD規格は、時代のニーズに合わせてアップデートを重ねてきました。まずは各バージョンの主な違いを表で確認しましょう。
USB PDのバージョン比較表
| バージョン | 最大電力供給 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| USB PD 1.0 | 100W (20V/5A) |
【Type-C以前の規格】 ・Type-A/BやMicro-Bコネクタを使用。 ・5V, 12V, 20Vなどの固定電圧プロファイルを使用。 |
| USB PD 2.0 | 100W (20V/5A) |
【Type-Cとの統合】 ・USB Type-Cコネクタと本格的に統合。 ・電圧設定が整理され、5V, 9V, 15V, 20Vの固定電圧に対応。 |
| USB PD 3.0 | 100W (20V/5A) |
【効率と安全性の向上】 ・最大電力は2.0と同じ。 ・オプションで「PPS」が追加され、発熱を抑えた効率的な充電が可能に。 ・セキュリティや機器情報の通信機能が強化。 |
| USB PD 3.1 |
240W (48V/5A) |
【超高出力化】 ・「EPR」により最大240Wに対応。 ・新たに28V, 36V, 48Vの電圧が追加。 ・ゲーミングPCや大型モニター等、高消費電力機器への対応が可能に。 |
USB PD 1.0 〜 2.0
「USB PD 1.0」はUSB Type-C登場以前 (2012年) に策定されましたが、広く普及するには至りませんでした。
本格的な普及が始まったのは、USB Type-Cコネクタの登場と共に策定された「USB PD 2.0」からです。このバージョンで、5V, 9V, 15V, 20Vの電圧が定義され、ケーブルや充電器の性能に応じて最大100W (20V/5A) までの電力供給が可能になりました。
USB PD 3.0
「USB PD 3.0」は、基本的な電力供給 (最大100W) の仕様は2.0を引き継ぎつつ、セキュリティや機能面での強化が図られました。
特に重要なのが、オプション (任意) 機能として「PPS (Programmable Power Supply) 」が追加された点です。
オプション機能「PPS」とは?
PPSは、対応機器 (主にスマートフォンなど) に対し、電圧や電流を20mV・50mAという非常に細かい単位で動的に (リアルタイムで) 変化させながら供給する技術です。
機器に常に最適な電力をピンポイントで供給し続けるため、電力変換のロスが減り、給電中の発熱を効果的に抑制できます。発熱が抑えられることで、より長く高い電力での充電が可能になり、結果として全体の充電時間が短縮されます。
USB PD 3.1
現在普及し始めているのバージョンが「USB PD 3.1」です。
最大の特徴は、「EPR (Extended Power Range)」と呼ばれる拡張規格により、従来の最大100Wから最大240Wへと上限が大幅に引き上げられた点です。
この進化により、これまで独自の大型ACアダプターが必要だった高性能なゲーミングPCや大型モニターなど、消費電力の大きい機器へもUSB Type-Cケーブル1本で給電・充電できる道が開かれました。
USB PD 3.1に対応した「PowerIQ™ 5.0」
USB PDのパワフルな充電をさらにスマートに、効率的に行うため、Ankerは独自の充電技術「PowerIQ™」を開発・進化させてきました。
PowerIQ™ とは?
PowerIQ™は、より快適な充電環境の実現を目指して、2014年にAnkerが発表した急速充電技術です。
PowerIQ™を発表した当時、USBポートから充電できるデバイスは増えていましたが、それぞれのデバイスが要求する最適な電力が異なり、充電器側がそれに対応できていないという課題がありました。結果として、充電に時間がかかったり、デバイスのバッテリーに負荷がかかったりといった問題が発生していました。
そんな中発表された「PowerIQ™」は、接続されたデバイスを充電器側が自動で認識し、その機器に最適な電流を供給する画期的な技術でした。これにより、ユーザーはデバイスの種類を意識することなく、安全かつスピーディーな充電が可能になったのです。
最新技術「PowerIQ™ 5.0」
USB PD 3.1への準拠と超高出力
PowerIQ™ 5.0は、最新規格であるUSB PD 3.1に準拠しています。これにより、140Wを超える超高出力に対応し、高性能なノートPC (例:16インチMacBook Pro) など、大きな電力を必要とするデバイスでも作業をしながら急速充電が可能です。
進化した「Dynamic Power Distribution」
PowerIQ 5.0の核心的な機能が、この「賢い電力配分」です。複数のデバイスを同時に充電する際、各デバイスの機種や充電状況を数分単位で自動計測。例えばスマートフォンの充電が完了に近づくと、そこで余った電力を即座にノートPC側へ1W単位の精度で再配分します。
これにより、ユーザーは充電の順番を意識することなく、接続されたすべてのデバイスが常に最も効率的なスピードで充電され、充電全体の時間を大幅に短縮します。
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まとめ:USB PDでスマートな充電ライフを
本記事では、USB Power Delivery (PD) の基本から最新規格、そしてAnkerの独自技術までを解説しました。
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USB PDとは、スマートフォンからノートPCまで、幅広いデバイスに最大240Wの高出力で急速充電できる技術規格です。
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本来の性能を発揮するには、「デバイス」「充電器」「ケーブル」の3点すべてがUSB PDに対応している必要があります。
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AnkerはUSB PDをベースに、複数台同時充電時に電力を賢く再配分する「PowerIQ™ 5.0」で、さらに効率的な充電体験を実現。
ご自身のデバイスや利用シーンに合ったUSB PD対応製品を選び、より速く、よりスマートな充電環境を手に入れましょう。
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