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公開日:2025.07.23
斜めでも投影できる! プロジェクターの「台形補正」徹底解説
プロジェクターで壁やスクリーンに映像を映して、映画館のような大画面を楽しみたい。でも、いざ自宅に置こうとすると「真正面に置くスペースがない」「画面が斜めになってしまう」そんな「設置場所」の悩みに直面したことはありませんか?
その悩みを解決し、プロジェクターの設置自由度を劇的に高めてくれるのが「台形補正」機能です。
この記事では、プロジェクター選びの非常に重要なポイントである「台形補正」について、その仕組みから種類、メリット・デメリットまで、徹底的に解説します。
これを読めば、台形補正のすべてが分かり、あなたのお部屋やライフスタイルに最適なプロジェクターが見つかるはずです。
目次:
そもそも「台形補正」って何? なぜ歪むの?
まず、なぜプロジェクターの映像は歪んでしまうのでしょうか。
プロジェクターは、本体のレンズから光を投射し、壁やスクリーンに映像を映し出します。このとき、レンズ (プロジェクター) とスクリーン (壁) が真正面から直角に向き合っていれば、映し出される映像はキレイな長方形になります。

しかし、設置場所の都合で、プロジェクターをスクリーンより低い位置から上向きに、あるいは高い位置から下向きに設置するとどうなるでしょうか。

レンズからスクリーンまでの距離が、画面の上端と下端で異なってしまいます。結果として映像は「台形」に歪んでしまいます。これが「縦方向の台形歪み」です。
同様に、プロジェクターをスクリーンの真正面ではなく、部屋の隅やサイドテーブルなど、左右にずれた位置から斜めに投影すると、レンズからスクリーンまでの距離が左端と右端で異なり、「横方向の台形歪み」が発生します。

この、プロジェクターの設置角度によって生じてしまう映像の台形歪みを、電気的な処理によって補正し、見た目上、キレイな長方形に調整する機能。それが「台形補正」です。
台形補正にも種類がある! あなたに必要なのは?
一口に「台形補正」と言っても、補正できる方向や調整の方法によって、いくつかの種類があります。これがプロジェクターの「設置自由度」に直結するため、非常に重要なポイントです。
補正の「方向」による分類
まずは、どの方向の歪みを直せるか、という分類です。
垂直台形補正

プロジェクターをスクリーンの上下にずらして設置した際に生じる、縦方向の台形歪みを補正します。比較的多くのプロジェクターに搭載されている、最も基本的な補正機能です。
水平台形補正

プロジェクターをスクリーンの左右にずらして設置した際に生じる、横方向の台形歪みを補正します。この「水平補正」に対応しているかどうかが、設置自由度を分ける大きなポイントです。
垂直補正だけでは、プロジェクターはスクリーンの真正面にしか置けませんが、横補正に対応していれば、そのライン上から外れた場所にも設置できます。
調整の「方法」による分類
次に、どうやって歪みを調整するか、という方法の違いです。
手動 (マニュアル) 補正
本体のボタンやリモコンの十字キーなどを使って、ユーザーが自分の目で映像を見ながら、歪みがなくなるように手動で調整する方法です。手動調整のため、プロジェクターを移動させるたびに、再調整が必要です。
自動 (オート) 補正
プロジェクター本体に搭載されたセンサーが、本体の傾きや壁との角度・距離を自動で瞬時に検知し、台形歪みを全自動で補正する機能です。
電源を入れるだけ、あるいは置く場所を変えるだけで、数秒後には最適な長方形の画面が映し出されます。初心者でも簡単に最適な画面設定ができます。
台形補正のメリット・注意点
斜めから映せる台形補正は非常に便利な機能ですが、その仕組み上、知っておくべき注意点も存在します。
メリット:設置場所の自由度

台形補正、特に水平台形補正があることで、プロジェクターの設置自由度が格段に上がります。
視聴の邪魔になるソファ前のテーブルではなく、部屋の隅の棚やサイドテーブルに置けます。生活動線を邪魔しません。
寝室では、ベッドサイドの小さなテーブルから、正面の壁や天井に手軽に投影できます。
注意点:画質の劣化
台形補正機能を使用すると「画質の劣化」が伴います。
台形補正はレンズを物理的に動かして光の形を調整しているわけではありません。その処理の正体は、「あらかじめ逆方向に歪ませた映像」をプロジェクター内部で作り出し、それをレンズから投射することで結果的に長方形に見せる、というものです。
補正時に映像を圧縮するため、台形補正を強くかければかけるほど、実際に映像表示に使われるピクセル (画素) 数は減るため画質が劣化します。
まとめ
最後に、この記事のポイントをまとめます。
- 台形補正とは、プロジェクターを斜めから投影した際の映像の「台形歪み」を、デジタル処理で「長方形」に補正する機能です
- 「垂直補正」は基本機能、「水平補正」に対応していると、部屋の隅など、設置場所の自由度が格段に上がります
- 調整方法には「手動」と「自動 (オート) 」があります、頻繁に場所を移動して使うなら「自動」が圧倒的に便利です
- メリットは「設置場所の自由度」
- デメリットはデジタル処理による「実質解像度の低下」
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