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スマホの充電は正しくできてる?
みんなが気になるバッテリーの疑問10選
スマートフォンやタブレットをはじめ、あらゆるモバイル機器に搭載されているバッテリー。しかし、その特性やメンテナンス方法について正しく理解していると自信を持って言える方はそう多くはないのではないでしょうか。そこで今回は、代表的なバッテリーに関する疑問にお答えして参ります。
目次:
バッテリーに関する疑問10選
よく聞くリチウムイオン電池とは?
リチウムイオン電池は、私たちが普段使用しているスマートフォンやタブレット、ノートパソコンなど非常に多くの機器に搭載されている充電式バッテリーです。
なぜこれほど普及しているかというと、
・繰り返し使用できる
・軽量かつコンパクト
・蓄えられるエネルギーが大きい
といった、従来の電池に比べて大きなメリットがあるためです。
しかし、リチウムイオン電池は非常に高いエネルギーを蓄えているため、取り扱いを誤ると発熱、発煙、発火といった重大な事故につながる危険性も秘めています。そのためその特性を理解し、正しく安全に取り扱うことが非常に重要です。リチウムイオン電池の取り扱いについては、こちらでご説明いたします。
バッテリーの平均寿命はどれくらい?
充電サイクル
リチウムイオン電池の寿命は、一般的に約300回~500回の充電サイクルと言われています。この充電サイクルを計測する試験では、スマートフォンが100%まで充電された後、完全に充電切れになるまでを1充電サイクルとして測定します。
しかし、実際の生活ではバッテリーを100%から0%まで使い切ることは多くなく、使用環境も多岐に渡るため、あくまで目安とご理解ください。
計算してみよう
製品を毎日1回 (0%から100%まで) フルで充放電した場合、500サイクルまでの期間は単純計算で以下のようになります。
500回 ÷ 365日 = 1.36年
毎日フルで使えば、約1年半弱で寿命 (設計上のサイクル数) に達することになります。もちろん、使用頻度によってサイクル寿命は大きく変わります。
使ってなくても2年を目安に
サイクル数とは別に、リチウムイオン電池は使わなくても時間経過とともに自然に劣化 (経年劣化) していきます。そのため、充放電回数が少なくても、購入から長期間経過したバッテリーは性能が低下しています。「5年前に買ったけど、5回しか使っていない」という場合でも、もちろん劣化は進んでいます。そのため使用頻度に関わらず、およそ2年を目安に買い換えることを推奨します。
高温・低温下での充電は、バッテリーの寿命に影響する?
最近のバッテリーはある程度の条件下でもしっかりと機能するように設計されていますが、極端な高温・低温の環境下での充電はバッテリーに負荷がかかります。
特にリチウムイオン電池は熱に敏感で、バッテリーの温度が約45℃以上になると劣化が始まり、劣化が進むと蓄えられる電力が低下するため、バッテリーの寿命にも影響が出ます。
また、極端な低温環境 (0℃以下など) でも一時的な性能低下や長期的な劣化につながる可能性があるため、注意が必要です。
使用 / 保管時の温度範囲は次の通りです。
使用温度範囲:0℃~40℃
保管温度範囲:0℃~35℃
利用推奨範囲は守り、理想の温度範囲でご利用ください。保管の際には特に35℃以下の涼しく乾燥した環境がおすすめです。
充電中のスマートフォンやタブレットの使用はバッテリーに悪影響を与える?
充電しながらのスマートフォン使用がバッテリーに良くないというのは、一昔前の話。バッテリーの技術も日々進歩しているので、安価な粗悪品を使わない限りは特に心配する必要はありません。
スマートフォンやタブレット等にインストールされているアプリケーションもバックグラウンドで常時更新がなされており、バッテリーという観点から見ると、実はこの更新も充電中に操作することと大きな違いがないのです。
ただ先述の通り、バッテリーは熱に弱いので、操作中に機器の発熱を感じたら操作や充電を一度ストップしてください。
新品のスマートフォンやタブレットは使用前に充電を100%にするべき?
新しいモバイル機器を使い始める前に100%まで充電した方が良いという話は、ニッケル電池なら本当です。
しかし、一般的なモバイル機器に搭載されているリチウムイオン電池は、約20%~80%の充電の時に最大限の性能が発揮されます。新品のスマートフォン等は通常50%程度はあらかじめ充電されているので、手元に届いた瞬間から問題なくお使いいただけます。
充電100%になる前に充電を止めて使用すると、バッテリーの寿命に悪影響?
これも、間違いです。リチウムイオン電池においては、むしろ逆効果にもなり得ます。先程もお伝えした通り、リチウムイオン電池は充電が約20%~80%の状態のときに最も性能を発揮します。
持ち歩くことの多いモバイルバッテリーですが、できる限り使い切らずに容量を残しておき、充電をする際も80%程度の充電量にとどめておくことが理想的です。
充電ケーブルの挿しっぱなしはバッテリーに良くない?
最新のモバイル機器には、過充電を防ぐために100%まで充電されると自動的に給電が止まるよう保護回路が搭載されています。
そのため、充電ケーブルを挿したままでもバッテリーへの影響はほぼありません。また、モバイル機器によっては充電が80%まで達すると電流を弱めバッテリーへの負荷を減らす機能なども存在しています。
寝ている間にスマホを充電したままでも大丈夫?
最新のモバイル機器の多くは、満充電になると自動的に給電が止まるよう保護回路が搭載されているため、寝ている間にスマホを充電したままにしても特に大きな問題はありません。
バッテリーを長持ちさせるため、定期的に100%から0%まで使い切ったほうが良いの?
リチウムイオン電池に関して言えば、これは誤りです。過度な振れ幅 (100%→0%) はバッテリーに負荷がかかり、劣化に繋がります。
バッテリーの性能を長く維持させるなら、約20〜80%でバッテリー残量を維持しましょう。
長期間バッテリーを使用しない場合は、残量を0%にしておくべき?
こちらも誤りです。リチウムイオン電池には、使用していない状態でも電池の容量が減っていく「自己放電」という特性があります。これによって長期間放置していない間に、バッテリー残量が0%になり、思いがけず過放電の状態になってしまうことがあります。
最適なバッテリー残量を維持するために、予めの充電と3ヶ月ごとに充電することをおすすめします。
発火・事故の危険性について
ここまでの疑問への回答でも触れたリチウムイオン電池は、軽量で大容量という利便性の一方で、エネルギー密度が非常に高いという特性も持っています。そのため、取り扱いを誤ると発熱、発煙、発火に至る重大な事故につながる可能性があります。
特に以下のような使用方法は非常に危険です。
-
強い衝撃・圧力:機器を落下させる、踏みつける
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高温環境:夏の車内、暖房器具の近く、直射日光が当たる場所への放置
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水濡れ:多湿環境での保管、水気が多い場所での使用
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異常が起きた状態での使用:バッテリーが膨張する、変形する、異臭がする
-
不適切な充電:安価な粗悪品や充電する機器の仕様と合わない製品の使用
安全に使用するためのポイント
これらの事故を防ぎ、リチウムイオン電池を安全に使用するためには、以下の点に注意して丁寧に扱う必要があります。
強い衝撃や圧力を加えない
スマートフォンを落としたり、ポケットに入れたまま座って圧力をかけたりしないでください。外部からの強い力で内部が損傷し、ショートして発火する原因となります。
高温・水気を避ける
リチウムイオン電池は特に熱と水に敏感です。夏の車内や暖房器具の近くに放置しないでください。また、水濡れは内部ショートの直接的な原因になるため、多湿環境や水気が多い場所での使用や保管は避けてください。
認証済み / 信頼できるメーカーや機器に合った充電器を使う
充電器やケーブルは、機器の純正品または信頼できるメーカーの適合するものを使用してください。安価な粗悪品や充電する機器の仕様と合わない製品の使用は、過充電や異常発熱の原因となり大変危険です。
異常を感じたら直ちに使用を中止する
バッテリーが膨らんできた、異臭がする、異常に熱いなどの兆候が見られたら、それは内部で異常が起きている可能性が高いです。直ちに使用と充電を中止し、発火の危険があるものとして、メーカーや販売店にご相談ください。
最適な充電量を保つ (長持ちのコツ)
安全面だけでなく、バッテリーの性能を長持ちさせるためにも、残量を約20%〜80%の範囲で維持することが理想的です。100%から0%まで使い切るような極端な使い方は避けましょう。
長期保管する場合
残量0%での放置は「過放電」状態を招き、バッテリーを痛めます。長期間使用しない場合は、50%程度の残量にして、高温多湿や直射日光を避け、涼しく乾燥した場所で保管してください。また、3ヶ月に一度は状態の確認と充電を行うことをおすすめします。
バッテリーは「消耗品」です
ここまでリチウムイオン電池の特性や安全な取り扱い方法について解説してきましたが、最後に最も重要なことをお伝えします。それは、バッテリーは「消耗品」であるという事実です。
記事中で触れたように、バッテリーは充電と放電を繰り返す (充電サイクル) たびに、また高温などの使用環境によって、少しずつ蓄えられる電力の最大容量が減っていきます。これはリチウムイオン電池の化学的な特性によるもので、避けることはできません。
どれほど丁寧に扱っていても、使用年数や充電回数が増えれば、性能は必ず低下していきます。
「最近、充電の持ちが極端に悪くなった」「充電してもすぐに電源が落ちる」「バッテリーが膨張してきた」といった場合は、そのバッテリーの寿命が近づいているサインです。特に膨張などの異常が見られる場合は、発火事故につながる危険性が高まっているため、直ちに使用を中止してください。
安全のためにも、性能が著しく低下したバッテリーは無理に使い続けず、メーカーや専門業者によるバッテリー交換、あるいは機器本体の買い替えを検討してください。異常が見られない場合でも2年を目安に買い替えましょう。
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